鷺娘

Dienstag, 29. Januar 2013

   鷺娘

 銭塘の杜という人が船に乗って行った。時は雪の降りしきる夕暮れである。白い着物をきた一人の若い女が岸の上を来かかったので、杜は船中から声をかけた。
「姐さん。雪のふるのにお困りだろう。こっちの船へおいでなさい」
 女も立ち停まってそれに答えた。たがいに何か冗談を言い合った末に、杜は女をわが船へ乗せてゆくと、やがて女は一羽の白鷺となって雪のなかを飛び去ったので、杜は俄かにぞっとした。それから間もなく、彼は病んで死んだ。

   蜜蜂

 宋の元嘉元年に、建安郡の山賊百余人が郡内へ襲って来て、民家の財産や女たちを掠奪した。
 その挙げ句に、かれらは或る寺へも乱入して財宝を掠め取ろうとした。この寺ではかねて供養に用いる諸道具を別室に蔵めてあったので、賊はその室の戸を打ち毀して踏み込むと、忽ちに法衣を入れてある革籠のなかから幾万匹の蜜蜂が飛び出した。その幾万匹が一度に群がって賊を螫したので、かれらも狼狽した。ある者は体じゅうを螫され、ある者は眼を突きつぶされ、初めに掠奪した獲物をもみな打ち捨てて、転げまわって逃げ去った。

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